プルトには表と裏があるが、表の役割は何か。表と裏にも上下関係はないが、この2人1組のプルトの舵取りの役割は表が担うことが多い。
1stバイオリンの場合は表は客席に最も近い席。客席の空気を最も感じられる席であり、それだけに緊張もする。でも緊張している場合ではない。この位置での役割は客席とオーケストラをつなぐことだ。客席に向けて秘密を囁いたり力強く思いをぶつけたり、またわざとそっけなくして客席からの興味を引くこともできるかもしれない。客席に見られている場で一方的に発表するのではなく、客席とも対話をしているようなイメージを持つことができたら、ホール全体が一体となった音楽の世界に一歩近づけるのではないだろうか。1stバイオリンの表次第で客席とステージの間にある扉は開きもすれば閉ざされもすると思う。
バイオリン弾き 三澤
(※これはアマチュア奏者の試行錯誤を記録したものですので、解釈や分析が正しいとは限りません。)


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