「休符は休みじゃない、休符という音楽なんだ!」
というのは音楽を習われた方なら、一度は指摘されたことがあるのではないでしょうか。
休符というのは音を出さない時間ですが、
「その間に音楽を途切れさせるな、休符も音楽を作る重要な要素と心得よ」
ということのようです。
ところが、わかっていても休符で休憩してしまうんですね。
まるでその瞬間風呂にでも浸かったかのような脱力。
まあ確かに「音を出す」というのは心も体もエネルギーを使うものではありますが。
どうしたものでしょう。
呼び方を変えてみるとか。
「休符」じゃなくて「準備符」とか「余韻符」とか。
それとも休符に記号を付けてみる?
例えばベートーヴェンの「運命」の冒頭なら
8分休符にsf。力み過ぎちゃいますかね?
今、紬が取り組んでいる「エグモント」の8分休符ならクサビ。
ラフマニノフの美しい旋律に入る前なら
休符にクレッシェンド。
溢れ出す感じになりますか?
実は他のパートにはちゃんとクレッシェンドが書いてあるんですけどね。
他にもアクセントやテヌート、
「!」とか「?」とかもいいかも。
長めの休符ならdolce とかmorendoとかappassionatoとか。
書いてあったら休むに休めない、みんなどんな顔で休符を過ごすんでしょう…ふふっ。
こんな妄想を公の場で喋って、天国の大作曲家先生方に怒られそうです。
でも例えば
同じ沈黙でも、お葬式の沈黙と結婚式の沈黙は全く違う空気だから
気の力は侮れない。
ところで、子どものころ4分休符は下から書くと知ったときはちょっと感動しました。
日本の文字で下から上に書くなんてないですから。
最後上に払うのが気持ちいい。
当時、無意味にノートの隅に4分休符を落書きしていました。
この生き生きした形状、上向きに跳ね上がるイメージも、
4分休符のもつ音楽的性格に関係があるとかないとか。
バイオリン弾き三澤でした。
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