プルトの裏の役割は譜めくりだけではない。前回プルト内の舵取りは表が担うことが多いと書いたが、二人三脚が基本なので裏が後ろに下がりすぎていてはいけない。2人で協力して音楽の表現を強いものにしていく。
そして1stバイオリンの場合、裏に座るということは、その左側で隣のパートの表と接することになる。このパートとパートをつなぐというのが裏に座る人の大事な役割である。よく、裏の人がパート内のまとまりを意識するあまりトップや表ばかりを見て、すぐ隣の別のパートの人との繋がりをシャットアウトしてしまう様子が見られる。そうなると、トップや表の人だけがアンサンブルを担当することになるのだが、パートの境界にいる裏の人がそのアンサンブルの障壁にすらなってしまう。逆に裏の人が隣のパート(の表の人)と連携が取れていれば、表は格段に舵取りがしやすくなる。また前後だけでなく横のつながりが生まれるので、プルトの後ろの方まで安心安定の演奏ができる。オーケストラの繋がりは、指揮者やトップを中心とした放射状のものだけではなく、それぞれがすぐ近くに座る奏者と結びついた網目状のものがいいと思う。そのネットワークがあって初めて一方向ではない奏者一人一人の音楽のやりとりが生まれ、有機的で一体感のあるオーケストラとなる。
4回にわたって主に1stバイオリン内の座る位置での役割を考えてみたが、どこに座っていようと自分のことだけを考えて演奏してはいけないと改めて感じた。オケにおいてバイオリン弾きは大勢の中の1人ではあるが、その一人一人が全体にとって不可欠で微妙に異なる役割を担っている。
バイオリン弾き 三澤
(※これはアマチュア奏者の試行錯誤を記録したものですので、解釈や分析が正しいとは限りません。)


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