個性の集い

お茶しませんか?

こんにちは。バイオリン弾き三澤です。
先日、偶然通りかかった日本伝統工芸展に入ってみました。

第70回 日本伝統工芸展 | 美術 | 福岡三越 | 三越 店舗情報

展示物は陶芸、人形、染織など、300点以上。

壮観でした。これほど多くの磨き上げられた個性が一堂に会する光景は。

伝統を基礎に持ちながらこんなに多様な作品が生まれるなんて、まるで生物の進化のようです。人間、見た目の形はだいたい同じでも、その魂の多彩さには限りがない。一つとして似た作品のない展示を通して、そのことを再認識させられました。

そして、おそらく伝統という古くから鍛えられた強く深い根を持っているからこそ、自由に個性の枝葉を伸ばせるのでしょう。

それにしてもこんなに異なる魂を持っているのに、群れて生活し、同じことに心を痛めたり喜んだりするのだから、人間は不思議。

陶芸の絵付けの実演を見ました。短い線を、細かい幾何学模様になるように一本一本それはそれは丁寧かつ迷いなく書いていきます。

「これだけ手間をかけて、仮にうまく描ききったとしても、焼いてみたら割れてしまうなど失敗に終わることがある。本当に満足のいく完成は年に一度あるかないか。」
とのこと。

それはちょっと音楽の演奏に似ているかもしれません。

成果は約束されていないとわかっていても、伝統と自分の魂を見つめ一本ずつ丁寧に線を描く。その作業までもが美しい。

職人さんたちの足元にも及びませんが、私たちも音楽でそういうことを体験しているのかもしれません。なかなか素敵なことじゃないですか。

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