ヒヤリハット

お茶しませんか?

こんにちは。バイオリン弾きの三澤です。
先日エキストラで他団体のオーケストラに参加させてもらいました。そのお昼休憩のときのこと。

買ってきたパンを食べ終わった私はオーケストラの自分の席でボーっとしていました。お昼ご飯を食べに出た人も多く、練習場の人数はまばら。


私は椅子に座って左手にペットボトルのお茶を持ち、右手でスマホをいじっていましたが、その右手も疲れたのでスマホを膝の上におき、無の状態になっていました。


すると何かの拍子にスマホが膝から落ちかけ、「あっ」と思った瞬間、反射的に手足がビクッと動きました。


ところが左手に持ったペットボトルの蓋が空いていたんですね。手が動いた勢いで中のお茶が飛び出しました。

不思議とこういう時はスローモーションで見えるものですね。飛び出した液体が、引き延ばされたアメーバのように宙に浮き、みるみるうちに形を変え、分裂しながら落下していきます。はっきり見えているのに体は全然動きません。なぜこんなに焦ったかというと、そう、休憩中の練習場には楽譜だけでなくむき出しの楽器も置かれていたからです。
終わった…福岡の音楽界から追放される。そして私は破産する。

と思ったらなんと、私の隣に座っていたMさんの左足が「ばちゃっ」という音と共に、飛び出したお茶の大半を受け止めてくれました。
セ、セーフ…!一通り周囲の無事を確認して安堵のため息。わずかな水滴がMさんの鞄に飛んでいました。こうしてMさんの鞄と左足が犠牲となり、他の皆さんの楽器への被害は免れたのです。寒い日だったのでお茶で濡れた左足はさぞ冷たかったことでしょう。Mさんがいい人で良かった。一生頭が上がりません。

それにしても、こんな不届なオッチョコチョイって本当にいるんだ。こんな奴がいるなら私は絶対に楽器を裸で置き去りにはしない。
と心に誓ったのでした。

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